2010年11月17日水曜日

内田研二『成果主義と人事評価』

Check
仕事意識のすり替えについて書かれた章でのエピソードがおもしろい。

ある企業で、業務効率化の一環として会議時間の短縮運動がおこなわれた。しかし、思ったような成果は得られなかった。

ところが、会議室が禁煙になってから事態は一変する。喫煙しながら会議をしていた人たちが、会議室から遠のくようになったのだ。

もちろん、参加者たちは喫煙のために会議を開いていたという意識はない。にもかかわらず、議論が必要だから会議室に集まるのだと勝手に思い込んでいたそうだ。

これは、一般的な業務効率化のアプローチでは到底解決できない問題だろう。何のために働くのか、という意識が気づかぬうちに変ってしまっているのだ。メールチェックやPCのセットアップに追われて、傍から見ると忙しそうなのに、肝心の業務が全く手につかないという話はよく耳にする。

客観的に仕事内容を評価することの難しさを表した例だといえるだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿