2010年11月9日火曜日

もしイカ娘が波多野一郎の『イカの哲学』を読んだら

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中沢 新一,波多野 一郎
集英社
発売日:2008-02-15

「イカ娘」なるアニメが流行っているらしいので読んでみたでゲソ。

波多野一郎という人が著した「イカの哲学」という文章を援用しながら、著者が自分の考えを好き勝手述べてるという印象を受けたでゲソ。

「イカの哲学」自体は、優しい文章で書かれた平和についての論考でゲソ。哲学の「て」の字もわからない私でも理解できたでゲソ。でも、それに続く解説部が難解というかコジツケがましく感じたでゲソ。「イカ的なもの」とか連呼されると笑うしかないじゃなイカ?

「イカの哲学」に圧倒的な説得力を持たせているのは、著者・波多野一郎氏がたどった壮絶な人生にあるでゲソ。特攻隊で出撃直前まで苦悶し、シベリアでの強制労働を体験した辛い過去。共産主義の対極を知ろうと戦後すぐアメリカに留学した行動力。フランクルの『夜と霧』に通じる物があるのではなイカ? そんな波多野氏だからこそできた、友人に話すような語り口が、中沢氏の硬い文章で台無しになってるでゲソ。もっと平易に、ゆるく解説して欲しかったでゲソ。

つまり、本書は「もしイカ娘が『イカの哲学』を読んだら」と題して出版すべきだったのではなイカ?

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